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2005年12月11日
[ Books ] 「レヴィ=ストロース講義」 C.レヴィ=ストロース (平凡社)
クロード・レヴィ=ストロースが1986年に来日した際に行われた講演を収録。
レヴィ=ストロースが「第三のユマニスム(人文主義)」としてとらえた人類学の、現代における立場、果たすべき役割について考える。
人類学がその他の学問と決定的に異なるのは、文化の「差異」に着目するという点だ。(逆に歴史学・考古学などは共通点の発見から既存の思想・神話の意味の再確認を行う。)我々とは異なった社会の慣習の意味、そしてその社会がそこに至るまでの選択の存在に敬意をはらうことで、我々は「未開社会の開発」、「人工授精」等につきまとう現代社会の諸問題について、異なる視点から答えを探すことが可能となる。
自民族中心の解釈から脱却し、進歩のために協力することは重要なことであるが、欧州型文化を中心とした「世界文明」を目指している人類は、その協力の過程でこの重要な文化の多様性を消失してしまう、というジレンマも抱えている。
未開社会の開発時につきまとう先進国としての責任、すなわち「進歩による代価」の存在を、いかにしてその社会の人々に伝えるのか、という問いに対しレヴィ=ストロースは、それを考えることができるようになったことが既にひとつの希望だ、と語った。この講演から20年近く経過した今も本書がその役割を失っていないように感じるのは、我々が未だにその優しい希望の先のステップに進むことができていないからなのだろう。
投稿者 kou : 22:16 | Permalink
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