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2005年12月06日

Books ]  「大学の話をしましょうか―最高学府のデバイスとポテンシャル」 森 博嗣 (中央公論新社)

大学の話をしましょうか―最高学府のデバイスとポテンシャル元・名古屋大助教授にして小説家、森博嗣が語る大学論。
森先生の「学問とは楽しいものである」という思いは、作品(主に犀川先生の台詞)を見れば、もうこれでもか!というほど伝わってくるのですが、本書はそれに加え、一般的に叫ばれる「ゆとり教育の弊害」だとか「最近の若いもんは…」といった問題に対し、「いやいや、こういった考え方はどうですか?」というアプローチで新しい視点を提供してくれます。

大学のシステムについて、その内部にいるにも関わらずアンチな姿勢を持っていることに問題はないのか、という問い対し

不便といえば、なかなか組織の仕来りにとけ込めないことでしょうか(笑)。たぶん、そういう視点が僕の特性なんだと思います。自分自身に対しても、また家族や身内に対しても同様に客観的です。したがって、自分がいまどこにいるのか、という立場は、僕の場合ほとんど無関係なのです。立場は自己に比べて実に曖昧なものだと僕は考えています。多くの方にとっては立場こそが絶対的で、自己よりも優先されているように見受けられます。

と語ってしまうところがさすが。ああ、これは心にズシっときてしまうショッキングな台詞だ。

これだけ学問に対して確固たる信念と愛情をもっていた森先生ですが、どうやら今年の春に大学を退職したようです。本書でも、しがらみが増えて研究が続けられなくなった時のために書くことをはじめた、と語っていましたが、非常に残念なことに思います。
これからは、その恐ろしいほどに速い発刊ペースが更に速度を増すのを楽しみにしようと思います。

投稿者 kou : 23:19 | Permalink | このエントリーをはてなブックマークに追加


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